押出成形において、成形品への未溶融樹脂などの異物の混入は、品質低下などの原因となります。
一般的にはスクリーンの設置にて対処できますが、スクリーン交換時には押出機を停止してダイを取外すなど、生産性を大幅に下げてしまう場合もあります。
PSI社のスクリーンチェンジャーは、スクリーンの交換を容易にすることで、その作業時間を大幅に短縮、または無くし、押出成形における生産性の向上を実現します。
PSI社 スクリーンチェンジャーの特長
- スクリーン交換の短縮で生産性を向上
- 最小のメンテナンス性で済むシンプルな構造
- 最大圧力 70MPa, 最大差圧 20MPa, 最大温度 370℃(高温仕様の場合)
- 樹脂圧力を利用したシール構造 (PSIオリジナル)
- 樹脂圧力センサー用取付穴 設置可能 (オプション)
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手動式スクリーンチェンジャー(MSC)
手動式スクリーンチェンジャー(MSC)は、ライン停止中の定期的なスクリーン交換の労力とダウンタイムを最小化するための理想的なソリューションです。 ラインの解体が不要なコンパクト設計で、ハンドレバーやオプションのラチェットでスライドプレートを手動でスライドさせてスクリーンを交換することができます。
手動スクリーンチェンジャーの心臓部は、圧力で作動するシーリングシステムです。スクリーンを交換する時には、ラインを停止させシールの押し付け力が弱めることにより、スライドプレートの動作が可能になります。 新しいスクリーンに取り換え、運転を再始動させると、内圧でシールシステムが作動し、シールがスライドプレートにしっかりと押し付けられ」、漏れのない信頼性の高い性能を実現します。手動スクリーンチェンジャーのモデルサイズは、吐出量930 kg/h目安までに対応し、直径139mmまでの押出スクリューの抜き取りに対応することが可能です。
PSI手動スクリーンチェンジャーMSCは、より高い圧力用、ディバーター付き(MSC-DV)、特殊な材料用など、特定の用途やプロセスに合わせてカスタム設計することができます。
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■オプション
・ラチェットギア駆動式スライドプレートシフト
・空圧シリンダースライドプレートシフト
・高温用、特許取得のオールスチール製プレッシャーシール
・一体型マテリアルディバーターポジション (MSC-DV)
・変色防止用2ピースシール
・高差圧用ブレーカープレート
・ブレーカープレートの穴を大きくし、圧力損失を低減
・スクリーン利用率を向上させるスーパープレート
■型式・仕様一覧
型式
最大吐出量
[kg/h]*
ボア径
【mm】
スクリーン径
[mm]
ろ過面積
[cm²]
ヒ-タ-
[kW]
重量
[kg]
MSC-046
115
40.14
46.3
16.9
1.1
19
MSC-058
175
51.57
58.3
26.7
1.0
28
MSC-076
300
68.08
76.3
45.8
1.5
39
MSC-096
480
90.17
96.3
72.9
2.6
69
MSC-116
680
106.94
116.3
106.3
4.0
96
MSC-125
790
121.92
125.3
123.4
4.0
103
MSC-148
1,100
139.45
148.3
172.8
4.8
147
*最大吐出量は目安であり、樹脂材料種類、溶融密度、粘度、圧力、濾過能力レベルにより変わります。
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スクリーンチェンジャー HSCシリーズ(油圧式)
油圧動力ユニット(HPU)を利用したスムーズで素早いスクリーン交換
プロセス流を停止することなく、ワンタッチで交換可能
シンプルな構造で、メンテナンスは最小限
最大圧力 : 70MPa
最大差圧 : 20MPa
最大温度 : 370℃
HSC(油圧式) 型式・能力表
型式
(mmサイズ)
スクリーン径
【mm】
ボア径
【mm】
ヒーター
【kW】
重量
【kg】
HSC-25
73
65
3.2
123
HSC-35
100
90
5.0
175
HSC-45
132
MAX120
7.2
254
HSC-60
167
150
9.6
352
HSC-65
179
165
9.6
352
HSC-80
220
MAX204
19.2
748
HSC-100
275
254
38.0
1,570
HSC-120
327
305
38.0
1,758
HSC-150
405
381
51.0
2,177
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スクリーンチェンジャー CSCシリーズ(連続・ボルト式)
2つの内部流路にそれぞれスクリーンを配置し、プロセス流を一切遮断せずにスクリーン交換が可能(自動流路切替方式による"連続・ボルト式")
Back Flush(逆洗式)は、押出機側(上流)の圧力を監視することで、スクリーンで取り除かれた異物を排出させることが可能。(スクリーンの交換サイクルの効率化)
シンプルな構造で、メンテナンスは最小限
最大圧力 : 70MPa
最大差圧 : 10MPa
最大温度 : 350℃
CSCシリーズ型式・能力表
型式
最大吐出量
[㎏/h]*
スクリーン径
[mm]
フィルタ面積
[c㎡]
ヒーター(定格240V)
[kW]
重量
[kg]
CSC-058
170
58.3
2×26.7
6.0
143
CSC-076
300
76.3
2×45.7
6.0
242
CSC-096
450
96.3
2×72.8
6.0
242
CSC-116
675
116.3
2×106.2
9.0
352
CSC-125
825
125.3
2×123.3
9.0
499
CSC-148
1,100
148.3
2×172.7
18.0
658
CSC-176
1,600
176.3
2×244.1
18.0
1,200
CSC-200
2,050
200.4
2×315.4
24.0
1,749
CSC-230
2,700
230.3
2×416.5
36.0
1,906
CSC-250
3,250
250.3
2×492.0
36.0
2,586
CSC-300
4,750
300.3
2×708.3
108.0
4,174
型式
最大吐出量
[㎏/h]*
スクリーン径
(楕円)[mm]
フィルタ面積
[c㎡]
ヒーター(定格240V)
[kW]
重量
[kg]
CSC-125/195
1,350
125×195
2×210.2
CSC-148/230
1,850
148×230
2×293.4
CSC-176/270
2,600
175×270
2×406.8
24.0
1,248
CSC-200/300
3,400
197×300
2×514.1
24.0
1,556
CSC-230/310
4,100
230×310
2×599.5
36.0
2,064
CSC-250/345
5,500
250×345
2×728.3
72.0
3,514
*最大吐出量は目安であり、樹脂材料種類、溶融密度、粘度、圧力、濾過能力レベルにより変わります。
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油圧パワーユニット(HPU)
PSI油圧パワーユニット(HPU)は、油圧式スクリーンチェンジャーやダイバートバルブを作動させるための動力を提供します。要求される機能に応じて、瞬時に大きな圧力に必要な用途(HSCやCSC-BF)にはアキュムレーター付モデル、定常的な圧力の流れでシステムを作動させるのに十分な用途(CSCやDSC)にはアキュムレーターなしモデルで提供されます。また1台のHPUで複数の機器を操作できるよう、分岐(マニホールド)配管や簡易脱着装置を配置することも可能です。HPUは石油系作動油で動作するように設計されており、オプションで水グリコールの使用も可能です。
主な仕様
リリーフバルブ圧力 20MPa
アキュムレーター付動作圧力 18MPa
特徴
・シンプルなスタート・ストップスイッチ
・インターロックにより、ガード開放時の動作を防止
・システム圧力リリーフバルブで過加圧を防止
・HPUに搭載されたコントロールパネル
・オイルレベル、温度計、通気孔フィルター、排水用ストレーナー付きリザーバー
アキュムレーター付モデル
・HPU-5.0Aまで ピストン式アキュムレーター
・最大型HPU-10.0Aのみ ブラッダー式アキュムレーター
・自動開放型電磁弁により、電源遮断時や停電時のシステム圧力の開放が可能
・再始動防止リレーにより、電源喪失後の自動再始動を防止
・制御は100V系に配線されます。
・インターロックは、圧力が準備されていない場合、操作ユニットを防止します。
・チェック・バルブ-ポンプ停止後も圧力を保持
アキュムレーターなしモデル
・コントロールは電源付きDC24Vに配線済み
・還流フィルター
オプション
・モーターと制御のための特殊な電源周波数
・マルチスクリーンチェンジャー用マニホールド
・高圧油圧ホース
・石油系作動油に代わる水系グリコール
・アキュムレーター付のモデル
・ブラダー型アキュムレーター
・窒素ガス充填キット
型式・仕様一覧
HPU型式
スクリーンチェンジャー
ポンプ容量 [L/分]
モーター出力[kW]
動作油必要量[L]
アキュムレータ 容量[L]
HPU-0.4S
CSC/DSC
1.5
0.6
38
なし
HPU-0.9S
CSC/DSC
3.4
1.5
38
なし
HPU-1.2S
CSC/DSC
4.5
2.2
38
なし
HPU-1.8S
CSC/DSC
6.8
3.7
38
なし
HPU-2.7S
CSC/DSC
10.2
5.5
76
なし
HPU-4.2S
CSC/DSC
15.9
7.5
76
なし
HPU-6.5S
CSC/DSC
24.6
11
76
なし
HPU-8.5S
CSC/DSC
32.2
15
114
なし
HPU-1.8S/0.5A
CSC-BF
6.8
3.7
76
1.9
HPU-2.7S/0.5A
CSC-BF
10.2
3.7
76
1.9
HPU-4.0S/1.0A
CSC-BF
15.1
5.5
76
3.8
HPU-1.5A
HSC
6.8
1.5
38
5.7
HPU-2.5A
HSC
6.8
2.2
38
9.5
HPU-5.0A
HSC
10.2
3.7
76
18.9
HPU-10.0A
HSC
11.7
5.5
114
37.9
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【技術情報】スクリーンチェンジャー用ブレーカープレートについて
ブレーカープレートの設計は、スクリーン交換までの生産稼働時間を決める重要な要素です。 (すべてのプロセスには、)押出機及びスクリーンパックには、それぞれの耐圧によって(定義される高)圧力限界があります。 (スタート時(クリーンなスクリーン)の圧力損失は、プロセス圧力の下限を定義します。スクリーンのミクロン定格と関連するワイヤー径は一般に標準化されているので、定義されたろ過レベルで作業する場合、圧力損失を低減するための残りの変数は、ブレーカープレートの穴径となります。)ブレーカープレートを工夫することで圧力損失を減らし、必要なろ過レベルのスクリーンパックを圧力限界値以内で運転させることが出来ます。
効率的なブレーカープレートの設計により、開口面積と耐圧強度のバランスをとり、圧力損失を最小に抑えています。スクリーンチェンジャーで処理されるほとんどのポリマーや接着剤には、業界標準(クラス2)のブレーカープレートの穴サイズが有効です。 しかし、高粘度、部分溶融材料では、一般的な穴径は高い圧力損失を発生させます。 このため、所定のスクリーンパックで使用できる圧力範囲とそれに対応する運転時間が減少し、スクリーン交換がより頻繁に行われることになります。
これらの材料の圧力損失を減らし、スクリーン交換の間の稼働時間を増やすために、PSIはクラス3とクラス4のブレーカープレートを提供しており、それぞれ標準のクラス2のブレーカープレートよりも順次穴が大きくなっています。 クラス2の穴は、20メッシュのスクリーンを支えるのに理想的な大きさです。 クラス3、4の穴径が大きい場合は、スーパープレートや10メッシュのスクリーンを使用して、より細かいメッシュのスクリーンをサポートします。
下記モデルに対応
CSC(連続式),DSC(非連続式)ボルト式スクリーンチェンジャー
MSC(手動式)スライドプレート式スクリーンチェンジャー
Class 2、3: 125mmまでのブレーカープレート
Class 2,3,4: 148mm以上のブレーカープレート
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【技術情報】スクリーンチェンジャー用スーパープレート
スーパープレートは、スクリーンパックの表面積(濾過面積)を有効に活用することで、効率と寿命を向上させることができます。 これにより、スクリーンの交換頻度とコストを削減することができます。
この効果は、スクリーンパックをブレーカープレートの平らで固い表面から離すことで得られます。 従来のブレーカープレートの開口面積は、通常50~55%です。 つまり、スクリーンの45%から50%が固体表面に載っていることになります。このため、ブレーカープレートの穴の上にある小さな対応領域が目詰まりし、材料が貫通穴に到達するためにワイヤクロスの目詰まりしていない部分を横方向に横断しなければならず、特定箇所に負荷が集中し、スクリーンの寿命が急速に短くなります。 これは、使用済みスクリーンパックのブレーカープレートの穴の上に濾過された汚染物質が密集し、ブレーカープレートの固体部分にはあまり(濃度)汚染物質がない状態として確認することができます。
スーパープレートを使用すると、スクリーンの最大95%以上が溶融物の流れにさらされます。これにより、従来の設計に比べて30%~55%の有効濾過面積を得ることができます。
スーパープレートは、ステンレス製の三角形のブレードを格子状に細かく加工し、クロス溶接することで、優れた強度とサポート力を実現しています。 スクリーンパックはブレードのエッジの上に乗っています。 ブレードの間隔とサポートにより、多くの場合、20メッシュ以上のサポートスクリーンを省くことができ、コスト削減が可能です。 スーパープレートは、ブレーカープレートの穴の真上にあるワイヤクロスの引張強度をデルタPが上回った場合に発生する、スクリーンの吹き抜けとそれに伴う最終製品の異物混入の危険性も排除しています。
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【技術情報】Low Viscosity (LV) Seal – 特許取得済
Low Viscosity (LV) Sealとは
シールしにくい(高流量材料)低粘度の樹脂(例:2000MFI / 16 Pa-s at 10 Sec-1)で実証されたPSIの特許取得済み低粘度シールシステムは、ボルト式スクリーンチェンジャーの厄介なリーク問題を解決します。 (メルトブロー)?や接着剤など幅広い用途で、世界中の工場で高い効果を発揮して(いることが実証されて)います。 プロセス温度が300℃までのアプリケーションに対応し、長寿命のシールはアクセスが容易で、メンテナンスのためにスクリーンチェンジャーをラインから取り外す必要がありません。
なぜ必要なのか?
ボルトタイプのスクリーンチェンジャーの主な利点の1つは、メカニカルシールがないことです。標準的なスクリーンチェンジャーでは、ポリマーの粘性を利用して潤滑とシールを同時に行うコントロールギャップシーリングが採用されています。これはほとんどのポリマーでうまく機能しますが、超低粘度材料の高い流動性により、ボルトとハウジングのクリアランスを越えて移動し、その結果、(様々な程度の大気への)漏れが発生します。 PSIの特許取得済みLVシールがこれを解決します。
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インラインフィルター (ILF)
インライン フィルター (ILF) は、バッチラン用の便利で低コストのサイドアクセス型メルトフィルターです。 スクリーンの交換はわずか5分で完了し、ラインの分解は必要ありません。フィルム中のゲルや光学用ポリマー中の微小カーボン粒子のろ過など、幅広い用途に使用されるこのコンパクトなフィルターには可動部がなく、φ50サイズの押出機に適用できる一方、φ150の押出機の出力に容易に対応することができます。円筒形のフィルターエレメントは、金網やプリーツがあり、フィルター面積が広いため、スクリーン交換間隔を長くしたり、微細なミクロンレベルのろ過を行う際の圧力損失を低減させることができます。
主な仕様
最高使用温度 350℃
最大圧力 70MPa
温度調節 1ゾーン
特徴
・長寿命、コンパクト設計
・円筒形ロングランフィルタエレメント
・ワイヤークロスやプリーツフィルターが使用可能
・摩耗する可動部やシールがない
・フィルター交換のためのライン分解が不要
・工具鋼構造
・ボルト締めによる漏れのない接続
・滞留部分がない
・メンテナンス頻度が低い
オプション
・レバー式ダイバートバルブ内蔵
・内部流体加熱・冷却
・ステンレス、H13またはインコネル構造
・ミクロン単位のろ過が可能なプリーツ型フィルターエレメント
・クロムメッキまたはニッケルメッキ処理
・450°Cまでの高温対応
アクセサリー
・交換用カートリッジ
・アダプター
・ヒートコントロール
・圧力計
型式・仕様一覧
型式
最大吐出量 [kg/h]*
ろ過面積[cm²]
スクリーン径[mm]
スクリーン長さ[mm]
ヒーター[kW]
重量[kg]
ILF-20
550
129
29.5
108.5
1.7
32
ILF-40
1,100
258
57.5
142.7
3.5
64
ILF-80
2,200
516
89.3
187.3
9.0
216
*最大吐出量は目安であり、樹脂材料種類、溶融密度、粘度、圧力、濾過能力レベルにより変わります。
ギャラリー
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